調査票案作成及び調査実施に必要な事
アンケート調査は様々な要件が必要となってます。
- 調査目的
- 調査対象者選別
- 調査対象者への告知方法
- 調査時期
- 調査の予算
調査の実施計画について
調査テーマを明確にしたならば次の事項についても整理し、検討することが必要です。
調査対象者を検討する
調査の対象とするを開始するとき個人の性別、年齢、年収、職業などの属性や条件を決め、どのようなリストから調査対象者を選出するかについて検討します。
調査の目的や調査テーマ
予算などを考慮して、調査対象者となる対象者について検討します。面接調査のように調査対象者に面接を行うような調査の場合、調査内容を告知して個人情報など扱うことなく単なる統計調査である事を認識してもらってから面接調査にとりかかる必要があります。
調査期間を検討する
調査は予定もなく長々と行っていたのでは非効率です。企画・設計段階であらかじめ開始と終了時期について調査期間は必ず設定しておかなければなりません。だらだらと調査を行っていたのでは調査結果がまとまりません。いつまでに調査結果が必要かというように、終了予定を設定すれば、これを逆算して開始時期が決まります。調査ステップごとの所要期間の目安をあげると、次のとおりです。
調査費用の予算を積算する
アンケート調査を行う場合の費用は、全て調査会社に丸投げして委託するのか、専門的な所だけ委託するのかによって大きく異なります。調査会社に丸投げで委託する場合、まず見積もりをしてもらいます。専門的な所だけ委託する場合は、委託する内容を標本数、サンプリングの方法、調査方法などに関する諸経費の費用を積み上げて見積もります。主な積算項目の例をあげると、以下のとおりです。
2)人件費-アルバイトであれば「日給×日数+交通費」の人数分。複雑な調査の場合はコールセンターを設けその人件費など
3)資料費-資料購入費、コピー代など
4)印刷費-郵送調査の場合(案内状、調査票の入稿費、発送用封筒、返信用封筒など)
5)会場経費-説明会や会場を使用した場合の会場費・パソコン・プロジェクタ等の設備費など
6)謝礼-回答者への謝礼品(ボールペン等)・謝礼金
7)募集費-回答者募集広告費、郵送調査(郵送費など)
8)交通費-電車・バス・タクシーなど交通費の実費精算
9)通信・連絡費・郵送費ー宅配便代、電話代など
10)データ入力費-データ入力会社に委託する場合
11)分析費-データ集計やデータ解析を専門会社に委託する場合
出来上がった調査票の見直し
アンケート票のブラッシュアップ
アンケート票の原案が出来たら、調査目的に照らして無駄な質問がないか、質問内容に矛盾は無いかまた回答形式と次のステップの分析法がマッチしているか等を再点検すべきです。
調査がスタートしてからでは修正することは困難です。見直しのためには、実際に少人数でアンケートに回答してもらい、それから顧客にプリテストをすればアンケート結果に失敗が少なくなります。
質問作成者が顧客の視点に立ってアンケートが作成できれば、良いアンケート票が出来るはずです。しかし、顧客の視点に立つことは実際には難しいです。
調査のプロフェッショナルが優れているのは、企業中心の視点だけでなく、顧客の心理を含めた多面的な視点からアンケート票をブラッシュアップできるからです。
全くアンケート票を作ったことがなければ、一度専門の調査会社にアンケート票の作成を依頼するのも一つの方法です。
調査部門に携わっているのであれば、専門の調査会社の調査内容を勉強して次第に慣れてきたら自分で作成するようにすれば良いと思います。
質問量の見直し
質問量が多くなりすぎると、分岐のない回答(サブ質問のないほうの回答)やマトリクス質問で同一回答を選びやすくなります。これは、回答者が興味を失い、「早く終わらせよう」という意識からくるものです。回収率を高める為にも、対象者の時間と能力に合わせて質問量を調整するように十分に配慮したいところです。
調査手法別の質問量
質問量はアンケートの目的により左右されがちですが、調査員が聴き取るか、回答者自身が回答するかなどの調査手法により負担に感じる量が変化します。質問量は回答者の実質的な負担を考慮すると、質問数よりは所要時間を考慮するほうが良いでしょう。
2次データを活用する上での留意点
2次データを活用する際の留意点として、データが発生した環境の把握をしっかり行う必要があります。データは環境のコンテクストに依存する可能性があります。2次データは、いろいろな目的で集められたデータなので、必ずしも当該調査の課題に適しているとは限らないです。
データが集められた環境条件を把握し、データの持っている情報価値の制約を認職した上で、活用することが望ましいです。
ちょっとしたミスなのに重大なミス

下記のアンケートで何が間違っているかわかりますか。
下記アンケートの設問で、好きな果物を1個を選んでください。
1.スイカ 2.バナナ 2.リンゴ 3.パイナップル 4.イチゴ 5.桃 6.柿 7.栗
そうです。「2.バナナ」と「2.リンゴ」の選択肢の数値が同じです。
紙媒体などのアンケートの場合、回答が「2」の場合バナナかリンゴか分かりません。直接、選択肢に〇で囲ってある場合は、何とかそのミスを防ぐことができますが、もし、回答欄に[ ]を設けて、その回答欄に[2]と記入があった場合、どちらを選択したか分からず、正確な集計は出来なくなってしまいます。
調査票を作り終えた後、最終確認の為にも必ず第三者に回答してもらう必要がありますが、それを怠ってしまい間違った選択肢のまま配布してしまった調査票をたまに見受けます。
コメント